淀川長治さんほどでは勿論ないが,親の影響もあって少年の頃から映画が好きで,それは後に配偶者をも巻き込み,現在まで延々と続いている。
月に3本か4本という程度だが,ほぼ1週間に1本というペースとなり,これが結構忙しい。以前は予告編と言っていたが,平成の今日ではハイカラにトレイラーと呼ばれる次回作が本編の始まる前に上映される。これが曲者で,思わず観たくなる誘惑に駆られる。まんまと映画会社の罠に填ってしまうというわけだ。
初冬の風が吹く晴天の日,映画を観た帰りにユニクロで購入した軽い仕立てのジャンパーを着用して「東京モーターショー2011」会場へと足を運んだ。今回から会場がユニークなデザインの東京ビッグサイトに移り,これまでの千葉県の幕張メッセと雰囲気が異なるというのもまた新鮮である。
出展各社それぞれに,ブースその他のデザインやレイアウトは新感覚の息吹に満ち満ちている。明るく広い会場の一角で,思いがけなく昨年夏に公開された人気の米国製アニメ『カーズ2』の主人公「ライトニング・マックィーン」に出会った<写真>。
レッド・ボディのボンネットには,それまでに優勝したレース「ピストン・カップ」が描かれ,特有の陽気さを漂わせながら存在感をアピールしている。『カーズ2』では,日本を初戦の舞台に始まる「ワールド・グランプリ」で,親友の錆びたおんぼろレッカー車「メーター」と共に世界中を転戦していくというストーリーだが,笑いとスピード感が存分に味わえる。
近くの係員に訊ねてみたら「映画宣伝用に作られたもので,ボディの下には何もありません。押せば動くといった程度です」と,笑いながらそう答えてくれた。ブルーレイ&DVD発売記念として「臨海副都心スタンプラリー」開催のためにセッティングされたものであった。
また,毎回のモーターショーで子供に返って楽しみにしているのが,タカラトミーのミニチュアカー「トミカコーナー」である。今回も視界いっぱいにミニチュアカーが展示・販売され,少年たちが目を輝かせるジオラマも設置されている。モーターショー限定モデルの販売もファンとしては見逃せないところだろう。
現在の大人たちがそうであったように,モーターショーに来場する少年たちは将来のユーザーでもある。
ともあれ,最新技術の集合体である新型車やコンセプトカーなどをひと通り見て回った後,自動販売機にコインを入れ,缶コーヒーをグビリと飲んでひと休み。
(モーターコラムニスト 牧 博明